2022年11月12日土曜日

不良品で人生に疲れる

  チェーン切りが欲しくなったので、カンパの11速チェーンに対応しており日本製を高らかにうたうホーザンのチェーン切り(C-371)をアスクル経由で購入しました。届いたブツを開封したところ、新品で未使用なのに傷だらけでした。自転車屋の店先で長年使われた百戦錬磨の老練な工具のような、釣り堀で長年生き残っている傷だらけのヘラブナのような、そんな風格が感じられます。まあ、傷だらけでも使えればいいのですが、この商品は部品が逆さまに付けられている不良品で使う事ができませんでした。

 うう、面倒だなと思いながらもアスクルに連絡しました。その後、緩慢に延々とメールでやり取りが続き、最終的に製造元であらせられるホーザン様が修理でご対応してくださる、という事に落ち着きました。予想外の面倒くささです。海外通販のクレーム対応とはえらい違いです。ホーザンのクレーム対応は、返品交換には絶対応じられん・・・クレーマーには負けられない・・・こんな人達には負けられない・・・絶対に負けられない戦いがそこにある・・・etc. 、なんというか、客からのクレームには死んでも負けられんという強い気概が感じられました。このくらいの気概や意気込みがサッカー日本代表にも欲しいものです。


 まあ何だかんだで、ようやっと新品なのに百戦錬磨で頼もし気なホーザンC-371でチェーン切りを試す事ができそうです。チェーンをセットし、押し出しハンドルを回しました。抵抗が高くなってきてグッと力を入れたところで、「バキン」という音がしたので、チェーンからピンが抜けたのを確認して・・・・・オリ?・・・ピンは全然抜けてません。その代わりにピンを押し出す矢のほうが折れていました。何が頼もし気だ、ものすごくヤワやないかい。が、ここで負けては昭和生まれの名折れです。気を取り直して、付属品の替え矢を使ったところ、今度はなんとかにピンを抜く事ができました。うわーいスゲーやった~、こんなクソボロの粗悪品でもチェーンのピンが抜けた・・・ってあたりまえの事なんですが・・・。この矢は先端部が回転する構造になっているので、構造的に複雑で強度的に弱い。要は折れやすい構造です。「この矢も不良品だあ」と、再度文句を言う事も考えたのですが、そんな事をすると「使い方が悪いんだよ!」「いやそんな事はない!」といった不毛な遣り取りが続き、齢を重ね古希を迎えるといった事になりそうなので止めました。パトラッシュ、僕はもう疲れたよ・・・。

 肝心のカンパチェーンへの適用ですが、また矢が折れたら作業が進められなくなるので替え矢を入手してからやる事にしたのですが、アマゾンでは納期が2週間以上になってしまいました。・・・ど こ ま で 私を馬鹿にしたら気が済むんだ・・・なにが老舗だ・・・ペダルレンチをものすごく褒めてやったのに・・・。


折れてしまったホーザンC-371の矢
先端部分が回転する事で、ネジを回した際に発生する応力を
逃すようになっているようです。

よく見ると、なんかハンドルも曲がって付いているような・・・



PS.

 販売品の交換についてちょっと調べてみたのですが、海外では不良品の場合、新品への交換か返金するのが基本らしいです。返品に係る運送費や返金の手数料は販売店もちです。多少使った品物でサイズが違うとかイメージが違うとかいった場合でも、よほどの問題が無い限り交換に応じるということです。交換した品物は部品取りに回したりバーゲンで安値で売ったりするそうで、以前私がBike24で購入した網シャツが強烈なワキガ臭していたのはこのあたりと関係してそうです。


 日本の場合も不良品については修理や交換するのが基本らしいです。品物の売買は品物と代金の交換に関する契約であるという事が基本であるそうです。品物が不完全(不良品)な場合は、販売側が契約不履行なので、品物を完全な状態にしなければならない、という事らしいです。ホーザンの規定では不良品の交換期間は一週間以内だとか言われて、私は焦って対応したのですが、この規定は法律に反していますね。不良品を完全な状態にして客に渡して契約を完了するか売買の代金を返金して契約を解消しない限り、販売側の義務が解消しないからです。

 一方、サイズやイメージや合わないから返品に応じろというのは、販売側は客の要請に応じて商品を送っており契約が完了しているとされるため、販売側に応じる義務はありません。この辺りの対応は販売店の判断にまかせられているのだと思います。同じ大阪の企業でも、顧客対応がものすごく良い事で有名なキャットアイもあれば、ホーザンみたいなのもあるという事でしょうね。


 ここからは私の推測ですが、海外と日本の対応の違いは、訴訟を起こしやすい海外では商品クレームで訴訟なってしまう事態を避けるために販売側は商品の交換で済ませようとする、一方、訴訟を起こし難い日本では販売側は不良品であっても、うやむやで終わらせようとするという事に起因しているのでがないでしょうか?

 不良品は売る方が悪く買ってしまった方は悪くない、というのが基本です。買ったものが不良品であった場合は、購買者には交換、修理もしくは返金といった措置や、その措置にかかった費用も含め要求する権利があります。ただ、ホーザンみたいにサービスセンターに連絡してくる客はすべからくクレーマー扱いする会社もあるので、その遣り取りで消耗しちゃう事もあるという事は認識しておいたほうが良いと思います。販売側の対応が納得いかない場合は、消費者生活センターに相談できます。地方自治体も消費者センターのようなものを開設しているらしいので、そちらも同じように利用できるようです。

0 件のコメント: